家を建てたあとに冬の光熱費の高額さには正直驚きました。
我が家でも天然ガスによる発電機を導入したけど実際に節約になりそうなのかな?
まだ1年しか使ってないけど想定以上に節約できるんじゃないかなぁ。。。
新築後1年経過したあとに、“コレモ”を設置しています。そのタイミングで設置を決めた理由は
2022年モデルチェンジ(定格出力を1.5から1.2kWに変更して耐久性を向上)により、本体の使用期間が10年から15年に延長したから
11年目以降は有償の保証期間に入りますが、メーカーが耐用年数を伸ばしたことは、メーカーの自信とも取れますし、初期費用を回収するという点で大きなメリットと考えたからです。
本記事では、導入前後の光熱費の実績値を参考に、その節約効果とメリット・デメリットなどについてまとめます。北海道でおうちを建てる際の参考になれば嬉しいです。
コレモとは
コレモはガスから電気を発生させる機械で、室内にある給湯器(エコジョーズ)に接続するように屋外に設置します。
コレモの中をみるとスクーターのエンジンのようなものがブルブル動いています。
暖房使用時にガスエンジンで発電して、家の電気として使用すると同時に、発電時の発生熱をパネルヒーターや床暖房に活用します。発生熱だけで暖房をまかないきれないときはエコジョーズも稼働します。北海道の冬ではエコジョーズも一緒に動くものと考えてよさそうです。
また、発電した電気のうち使わなかった分については北ガスが買い取りをしてくれます。
ガスエンジンを回す分、余分にガスを利用するので、ガス代は少し高く、電気代は大幅に削減、トータルで光熱費を節約するということがウリのシステムです。
コレモのメリット
光熱費削減ー利用状況によってはガス代も減
コレモのカタログを見ると、年間の電気代約50%、光熱費25%カットと記載があります。この試算には初期費用は含まれていないこと、モデルケースでの検証のため実際のエネルギーコストはライフスタイルや建築条件により異なる旨の注意書きもきちんと書かれています。
初期費用も含めて実質費用を削減できるのかどうかが気になるところですよね。
我が家の場合を例に見てみましょう。
2022年11月29日にコレモの運用を開始したので、
2021年12月〜2022年11月まで(左の棒グラフ)と
2022年12月〜2023年11月まで(右の棒グラフ)の使用量と費用の動きを見比べてみました。
コレモは11月下旬〜5月初旬までONにしました。5月中旬〜10月はどちらの年もエコジョーズのみの運用です。
電気の購入量は、コレモ稼働時は明らかに減っています。
年間5175kWh→2884kWhなので44%減です。売電量が829kWhあったので、それを加味すると電気の購入量は50%減を上回るといっていいと思います。
設置直後の12月は設定温度をどのくらいにすればよいのかわからず、24℃〜25℃くらいで運用していました。検針票をみてびっくり、とりあえず設定温度を23℃に…
12月以外の月を見比べると、驚いたことに都市ガスの使用量も多くの月で減少しています。
12,1,2,3,4,5月の電気料金は売電金額を差し引いています。年間電気料金は55%減、光熱費全体では19%減(12月のガス代が痛かった^^;)となりました。
◎2023年12月のガス使用料487㎥(45873円)電気購入量251kWh(6451円)になったので、これを12月だけ差し替えると光熱費全体で26.7%の減です。カタログ数値を飛び越えました。
うちは、北ガスモデルケースと比較すると暖房費はもともとかなりかかっていました。
そのため数字だけを鵜呑みにはしないでほしいのですが、我が家の場合はコレモ導入により光熱費は年間96,540円削減したことがわかりました。
初期費用は941,000円なので、10年たたずに初期費用を回収できる計算になります。
北ガスを契約している場合には、これまでの光熱費をもとにコレモ導入前後のランニングコストを試算してくれます(我が家は93,900円削減との試算だったのでかなり正確でした)。
導入を検討する方は試算だけでもまずはしてみたら良いかと思います。
スマートリモコンが便利
室温をリモコンで簡単コントロール
スマートリモコンで周囲の室温を感知して、設定温度になると運転を停止します。
エコジョーズは、パネルヒーターの設置箇所の室温が設定に到達しても、ヒーター入口までは温水が流れる仕組みとなっていて家の中の温水循環はなかなか止まりません。
コレモは、室温が設定温度になると、温水循環をストップするため、暖房用のボイラー運転時間を削減することでも節減効果を発揮します。
うちは趣味でつけた薪ストーブがありますが、エコジョーズのときは薪ストーブをつけても運転が止まらないので室温30℃とかになって汗だくになることも。
リモコンのタッチ操作で設定温度を簡単に変えられるので、暖房のコントロールがとにかくやり易いです。
ただし、スマートリモコンが温度を感知することになるので、リモコンの設置場所は重要です。
これまでは、床暖のコントローラー5個とパネルヒーター6箇所の温度を調節していました。
3種類のタイマーで、細かく温度設定ができます
- 運転タイマー:設定温度で暖房運転するタイマー
- OFFタイマー:暖房運転をOFFにするタイマー
- おやすみタイマー:おやすみ温度で運転するタイマー(設定温度よりも−3℃、−2℃、−1℃を選択できる)
室温が低くなりすぎると温めるのに余計にエネルギーを使うといわれたので、無理なく室温23度前後をキープすることを基本に、設定を色々と変えて検証しています。
上の写真の設定は、11−15時OFFタイマー、23−5時(青)おやすみタイマー、それ以外の時間(緑)運転タイマーとなります。
おでかけOFFというボタンがありますが、これをタッチすると、設定温度よりも−3℃、−2℃、−1℃温度を下げることも可能です。
発電状況や消費電力の見える化
こんな感じで消費電力が見えます。我が家はIHコンロとガスコンロのハイブリットタイプのコンロなので、焼く、沸騰までの調理はガス、長く煮込む低温調理はIHと使い分けするなどして、電気を購入しないように工夫できます。
モニターを見ているうちに、発電量を超えるものと超えないものを認識できるようになりました。
昨冬の電力の使用量単価は35.65円〜36.05円、売電単価は16.4〜16.7円。
売るより買わない方が節電効果は高いのですね。
もしもコレモ+IHコンロで調理時の電気代をタダにするならば、ストウブ鍋は是非購入してほしい。
IHコンロの弱火(発電量内)でも十分沸騰してくれる優れものです!!
CO2の削減効果もあります
自家発電することでエネルギーを効率よく使って、さらには余った電力を他でも利用することで、地域のCO2削減に貢献できるそうです。
我が家の場合、エコジョーズのみを利用していたときに比べると、年間CO2削減量は植林95本分に相当する試算でした。
暮らしていて実感することは無いですが、少しでも環境に優しくできるなら、大いに意義のあることだと思っています。(広告に踊らされているだけかもしれません、、細かく理解をしていないから)
停電時の電力供給(常時ではない)
コレモが発電中の停電であれば、発電を継続して自動的にエコジョーズと停電時用のコンセントに電力を供給し、給湯・暖房と携帯電話の充電などに使うことができるそうです。
ただこの点については、停電時にコレモが動いているとは限らないので、おまけ程度の認識にしておくべきかなと思っています。
コレモできちんと災害対応したい場合には、オプションの停電時起動ユニットを設置する必要があります。
コレモのデメリット
初期費用が高額
本体価格もオープン価格とされていますし、設置する会社によって工事費用は異なると思いますが、参考までに我が家の場合です。(2022年11月購入)
- コレモ発電ユニット 510,000(定価627,000)
- コレモ付属品&部材 282,340
- 取り付け工事費 28,000
- 電気工事費 163,485
- ガス工事費 115,500
- 諸経費 23,500
- キャンペーン値引き等 −267,370
+消費税10% 合計 941,000円
うちはガス使用量が多くガスメーターの配管を太いものに取り替えなければならなかったので、その分費用増だと思います。また家の建築時に導入していれば、工賃は多少なりとも相殺できたのだろうなとも。
設置スペースが必要
コレモ本体は、高さ1018×幅700×奥行き400mm程度の大きさですが、設置スペースとしては幅1800くらい×奥行き1000mmの敷地が必要です。
思っているより広さが必要なので、好きなところに設置できるとは思わないほうがよいです。
音・反響音
口コミを見ていると、音は室内にいる限り感じないという意見が多かったので、この点については我が家に限りということで書いておきます。
コレモの音は設置どなりの部屋は壁越しに聞こえます。寝室に隣接したせいもあります。
アイドリングのような音が聞こえてきます(寝るときにはおやすみタイマーにより運転停止している状態なので明け方起きるときに気がつく状況です)。
それよりも厄介なのが、ぼーっとした重低音のような反響音が離れた部屋の角など、ある特定の場所で聞こえることです。こちらは頭の中に響いてくるような、かなり耳障りな音です。
北ガスの方はこのような報告は初めてと言っていました。また色々と対策を行ってくれたのですが、改善はされませんでした。
ただ、発電設定を静音発電というものに変える(周波数が変わる・発電量が減る)とこの反響音は無くなります。幸いにも、いつもいる部屋ではないこと&部屋全体に響いているわけではないことから、普段はそのまま使っています。
コレモを設置した側は隣の家の畑になっているため、周辺の家にこういった迷惑をかけることにならなかったことは本当に不幸中の幸いと思っています。
エコキュートやエネファームなどの自家発電システムでは低周波騒音による健康被害が指摘されています。北海道と違って本州は隣の家が密接しているせいもあると思います。。。
コレモ導入の際には、この点も十分踏まえて設置場所を決定する方が安心です。
このデメリットに悩まされないためにも設置場所は十分検討しましょう。
電力会社の乗り換えができなくなる(2024.12.3追記)
大事なデメリット忘れていました。追記します。
電力の小売自由化から、電力を販売する会社は爆発的に増えましたよね。
少しでも安くしたくて、電気料金を比較する人も多いかと思います。
コレモを設置すると必然的に北ガス縛りになるため、この電力会社の自由競争には乗っかれなくなります。人によっては、これはかなりのデメリットになるのではないでしょうか?
北ガスは、一般家庭向けは従量電灯型を採用していますが、2023年9月に基準燃料価格の上限値を廃止してしまいました。
北海道電力では、廃止はないものの基準燃料価格の上限値をアップさせたので、市場の燃料価格が上限値を上回ることはなく、2社の電気料金にこれまで大きな差は生まれていないと思います。
ちなみに北電には上限値ありとなしの両方のプランがあるので、違いを理解して申し込みましょう!
ですが、この先上限値廃止してしまった北ガスの電気料金は、燃料調整額の関係で高騰なんてことも否定できないと思います。
現在のところ、電気とガスのセット割やコレモによる自家発電割により、北電よりも北ガスの方が(売電無しでも)電気料金は3〜7%安いというメリットはあります。
まとめ(2024.12.3追記)
以下の2点からコレモを導入して75%満足(マイナス25%は騒音分)と一旦結論づけていましたが、、、
- 光熱費の節減により初期費用を10年かからず回収できることがわかったから
- スマートリモコンが秀悦で本当に便利だから
基準燃料価格の上限値廃止するとわかっていたら導入したのかな?とも思うのです。
これから導入する人は電気料金プランについてよく調べてね‼︎と付け加えておきます。
1について
エネルギー価格は様々な要因で変化しますし、コレモが10年15年と本当に使えるのかわからないので、必ずとは言えないなと考えています。
また15年過ぎて、更新or撤去費用を加味すると金額としてはトントンになるかもしれない。。。
2についてはとにかくおすすめ
・設定室温でボイラーが停止するのでエネルギーの無駄がないです。薪ストーブとの相性も良い!
・暖房稼働時間と家事時間がちょうど重なる(朝と夕方)ので、ナチュラルに無理なく電力を節約できます。
・設定室温をボタン1つで変えられるので、先々のエネルギー高騰時にも対処しやすいかな。。
おまけ ガスと電気の単価の推移
燃料高騰に伴い、政府支援金が2023年1月から開始されていますが、8ヶ月ごとに半分ずつ引き下げられたので、燃料代が家計に負荷をかけてきていると思います。
単純に消費税込みの請求金額を使用量あたりで割った値を比べてみました。(ガスは基本料金が契約内容によって異なります、あくまでも我が家の場合です。)
ガス代(円/㎥) | 電気代(円/kWh) | 政府支援金 | |
2022年5月使用分 | 175.5 | 38.7 | なし |
2023年5月使用分 | 161.3 | 30.5 | ガス30円/㎥・電気7円/kwh |
2024年5月使用分 | 155.6 | 38.1 | ガス7.5円/㎥・電気1.8円/kwh |
2022年はAU電気+北ガス、2023年と2024年は電気も北ガス。
ガスは単価がもともと高いので、単純にガス有利とはならないことに注意です。
コレモを余分に回すより、室内温度を1℃低く設定してコレモの稼働時間を減らす(=ガス使用量を減らす)ほうが、電気代が多少上がっても光熱費自体は下がります(経験則です)。
住宅計画やコレモ導入を検討されている皆様の参考になれば嬉しいです
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