設計の打ち合わせの中で、スイッチとコンセントの高さの入った図面をみながら、スイッチの高さを確認する場面がありました。
スイッチとコンセントの高さは基本これになります。
はい、わかりました。
スイッチの高さは、打ち合わせの時にこんなやりとりで、一瞬で終わったことを覚えています。
我が家は、家具などにより設置できない場所以外は、スイッチの中心が95cmの高さになるように配置されています。
建築中の現場で、大工さん(依頼した建築会社では会社専属の大工さんが家を建てています)から聞いた話ですが、建築会社を創設した会長は、車椅子を想定した設計をするという基本方針があるそうで、スイッチの高さが一般的な住宅より低くなっているとのことでした。
建築中の家をみて、妻はスイッチの高さが低いなと感じて、その場で棟梁に尋ねていましたが、その違いに気づける人は少ないのではないかな、と思います。
スイッチの高さの利便性を実感することは今のところありませんが、セカンドライフをテーマとした家造りには重要なことかもしれないな、と思い、今回取り上げてみました。
家造り検討中の方には、こんなこともあるんだと知っておいてもらえたら、役にたつのではないかと思います。
スイッチの高さの標準は120cm
前に住んでいた家のスイッチの高さはおそらくこの標準の高さである110〜120cmだったと思います。
身長160cmの私の場合、スイッチの位置は肩と肘の間です。
スイッチを押すのに、肘より上まで手を持ってくる動作になります。
今はもちろん不便だと思うことはないです笑。
スイッチの高さ95cmはどんな位置?
ちょうど扉のハンドルの高さになります。
我が家の場合は、建具も建築会社が作成しているので、スイッチの中心位置と揃えてハンドル高も95cmとしているようです。
一般的に既製扉のハンドルの位置は90〜100cmくらいに設置されていることが多いようです。
ハンドルとスイッチは部屋の中で並ぶことも多いので、揃っていると見た目もスッキリとした印象になりますよ。
95cmのスイッチは、肘より下の位置になります。
ちょっと腕を持ち上げるとスイッチに届くという感じで、120cmに比べると動作はだいぶ小さくなります。スイッチを押すのに動きが少ないなと感じることができます。
この家に住んで3年以上が経ちましたが、スイッチが低くて困ったということも、見ていて違和感を感じることもありません。
95cmのデメリット
家具などの配置をよく考えないと、スイッチが低い位置にある分、干渉しやすくなることが考えられます。
家を建てる時には家具なども造り付けになることも多いので、私は不都合を感じることはなかったです。
車椅子の場合の使用感の違い
車椅子の座面高は43cmが標準とのことなので、普通の椅子の座面高と同じです。
家にある座面高43cmの椅子で検証してみました。
120cmの場合は肩の高さよりも上にくる、95cmの場合は肩の高さやや下くらいです。
120cm位置は腕を上の方に大きく伸ばす動作、95cm位置は肘掛けから腕をちょっと持ち上げる程度の動作になります。
やってみてわかったことですが、120cmは目線が上になるので顔を持ち上げるという動作も必要でした。
椅子に座った場合には、95cm位置は、明らかに動作が軽減されているのを体感することができます。
私はちょうど50肩を発症しているので余計に感じるのかもしれませんが、95cmの高さだと肩周辺の筋肉は使ってないくらいの印象になります。
高齢になるほど、この25cmの高さの違いはありがたく感じることになるような気がします。
車椅子の有効間口は75cm
手動車椅子は幅70cm以下がJIS規格で定められているため、通るために最低必要な間口は75cm以上、廊下などの幅は90cm以上が理想的なようです。
我が家の場合は、1階の間取りの中で一番狭いのは、主寝室入口の扉や脱衣所などの入口の扉ですが、有効間口が75cmになるように引き戸も開き戸も設計されていました。ちなみに廊下はありません。
トイレの入口は有効間口67cmなので、ここは入口で車椅子から立って、便座までは歩くという想定になるな、と思いました。
まとめ
1 スイッチの高さは扉レバーハンドルの高さが最適解かも?!
- 見た目もスッキリ
- 高齢になった時の動作負担も軽減できる
2 車椅子を想定するなら有効間口は75cm以上が必要
最近はユニバーサルデザインの発想が広まり、子どもから高齢者まで幅広く使用しやすいスイッチ高100cmを標準仕様にしている建築会社も増えてきているようです。
スイッチの高さや通路幅などは依頼した建築会社の仕様になるのが一般的だと思いますが、事前に知っていれば、打ち合わせ時に相談して変更してもらうことも可能だと思います。
私たち夫婦はそんな考えは少しも持ちあわせていなかったので、今思えば、この建築会社さんに依頼できたことは、とてもラッキーだったと思います。
セカンドライフを考えた家造りでは、大切なポイントの一つかと思います。
理想的な家造りの参考になれば嬉しいです。
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